テクニカル指標

MACDとは計算式・設定値・見方とダイバージェンスの使い方

MACD(マックディー)は、2本のEMAの差とそのシグナル線から、トレンドの方向と勢いを見る指標です。計算式、一般的な設定値、クロスとヒストグラムの見方を整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

MACDとは

MACD(Moving Average Convergence Divergence:移動平均収束拡散法)は、ジェラルド・アペル氏が考案した指標で、短期と長期の指数平滑移動平均(指数平滑移動平均線(EMA))の差から、トレンドの方向と勢いの変化を読み取ります。「トレンド系」と「オシレーター系」の両方の性格を持つ、代表的な指標です。

構成要素と計算式

標準的な設定は、12・26・9です。

要素 計算
MACD線 12期間EMA − 26期間EMA
シグナル線 MACD線の9期間EMA(または単純移動平均)
ヒストグラム MACD線 − シグナル線(棒グラフ)
MACD = EMA(12) − EMA(26)
シグナル = MACDの9期間移動平均
ヒストグラム = MACD − シグナル

MACD線がプラスなら、短期EMAが長期EMAより上(上昇傾向)、マイナスなら下降傾向です。

MACDの見方

1. MACD線とシグナル線のクロス

クロス 解釈
MACDがシグナルを下から上へ抜ける 買いのサイン(MACD版のゴールデンクロス)
MACDがシグナルを上から下へ抜ける 売りのサイン(デッドクロス)

2. ゼロラインとの関係

位置 解釈
MACDがゼロより上 上昇トレンドの傾向
MACDがゼロより下 下降トレンドの傾向
ゼロラインを上抜け・下抜け トレンドの転換の可能性

3. ヒストグラム

ヒストグラムの棒が小さくなると、トレンドの勢いが弱まっていることを示します。ゼロラインを挟んで、プラスからマイナス(またはその逆)に変わると、クロスが起きたことになります。

4. ダイバージェンス

価格が高値を更新しているのに、MACDの高値が切り下がる場合、上昇の勢いが弱まっている可能性があります(弱気のダイバージェンス)。逆の形は、強気のダイバージェンスです(ダイバージェンス参照)。

MACDの具体例

状況 MACD 解釈
価格が上昇し、MACDがゼロ上でシグナルを上抜け 強い上昇の初期 順張りの買いを検討する人もいる
価格が高値更新、MACDは高値が切り下がる ダイバージェンス 上昇の勢いが弱まる警戒
MACDがゼロ下でシグナルを上抜け 弱い反発 下降トレンドの中の戻りかもしれない

MACDの実践ステップ

  1. チャートに、MACD(12・26・9)を表示する。
  2. ゼロラインの上下で、全体のトレンドを確認する。
  3. クロスが起きたとき、ゼロラインの位置と、上位の時間足の方向を見る。
  4. ヒストグラムの縮小で、勢いの変化を確認する。
  5. 損切りの位置を、直近の高値・安値などから決める。

MACDの注意点

  • 移動平均が元になっているため、遅行性があります。
  • レンジ相場では、クロスが頻繁に起き、だましが多くなります。
  • 設定値(12・26・9)は、日足のために設計されたものといわれ、時間足や通貨ペアによっては、調整が必要な場合があります。
  • ゼロラインを大きく離れたとき、MACDは行き過ぎのサインにはなりにくいです(上限・下限がないため)。

MACDでよくあるミス

  • ゼロラインの位置を見ずに、クロスだけでエントリーする。
  • 短い時間足で、クロスのたびに売買して、コストが積み重なる。
  • ダイバージェンスを、すぐに反転する合図と考える(持続することもある)。

MACDのチェックリスト

  • MACDの設定値を、自分で把握しているか。
  • クロスが、ゼロラインの上か下かを確認したか。
  • レンジ相場での扱いを、決めているか。

MACDのFAQ(よくある質問)

Q. MACDは、トレンド系ですか、オシレーター系ですか?
A. 両方の性格を持ちます。移動平均が元なのでトレンド系、ゼロラインを中心に振れるのでオシレーター系の見方もできます。

Q. シグナル線は、EMAですか、SMAですか?
A. 一般的にはEMAが使われますが、ツールによって異なります。たとえば、MetaTrader 5 の標準のMACDは、シグナル線をMACDの9期間単純移動平均(SMA)で計算し、MACD線を棒グラフで表示します。同じ12・26・9でも、ツールによって形が少し違う点に注意します。

Q. MACDの設定は、変更してもよいですか?
A. 変更できます。ただし、変更した設定が有効かは、過去のデータで検証してから使うのが安全です。

筆者の見解(MACD)

MACDは、「トレンドの方向」と「勢いの変化」を、1つの画面で確認できる点が使いやすい指標だと考えます。特に、ゼロラインとの位置関係で、大きな流れを確認し、クロスはその流れの中のタイミングとして使うと、だましを減らしやすいです。ただし、どの指標も、単独で勝てるものではなく、資金管理と損切りとの組み合わせが前提だと思います。

MACDの関連項目

出典(一次情報)

本記事は情報提供を目的としており、投資助言・売買の推奨ではありません。「筆者の見解」は一つの考え方であり、結果を保証するものではありません。FX取引は元本を上回る損失が生じるおそれがあります。