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実現損益と評価損益とは違い・計算式・口座残高と税金への反映

実現損益は決済して確定した損益、評価損益は保有中の含み損益です。有効証拠金・ロスカット・税金のそれぞれで、どちらがどう扱われるかを具体例で整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

実現損益と評価損益とは

FXの損益には、実現損益と評価損益の2種類があります。取引画面ではこの2つが並んで表示されるため、違いを理解していないと、口座残高の見方を誤ってしまいます。

用語 意味 口座への反映
実現損益 決済して確定した損益 預託証拠金(口座残高)に加減される
評価損益(含み損益) 保有中の未確定の損益 有効証拠金には反映されるが、口座残高は変わらない

実現損益と評価損益の計算式

評価損益は、保有しているポジションをいま決済したらどうなるかを、現在のレートで計算した値です。

買いポジションの評価損益 = (現在のBid − 約定価格) × 数量
売りポジションの評価損益 = (約定価格 − 現在のAsk) × 数量
有効証拠金 = 預託証拠金 + 評価損益 + 未収スワップなど

買いは「売り決済のレート(Bid)」、売りは「買い決済のレート(Ask)」で評価されます。このため、スプレッド分は最初から評価損益に織り込まれていることになります。

具体例:1日の口座の動き

預託証拠金30万円で、USD/JPY を150.00円で2万通貨買ったとします。

時点 レート(Bid) 評価損益 有効証拠金 実現損益
新規直後 149.998 −40円(スプレッド分) 約299,960円 0円
午後 150.80円 +16,000円 316,000円 0円
夕方に半分(1万通貨)を決済(Bid 150.60円) 150.60円 残り1万通貨 +6,000円 約312,000円 +6,000円

夕方の有効証拠金は、預託証拠金30万円+実現損益6,000円+評価損益6,000円=約312,000円です。決済した部分は実現損益として口座残高に加わり、残りの部分は評価損益として引き続き変動します。

評価損益が影響する3つの場面

  1. 証拠金維持率・ロスカット:評価損が大きくなると、有効証拠金が減って維持率が下がり、ロスカットの判定に使われます。決済していなくても、強制決済の対象になります。
  2. 発注可能額:評価損益が反映された有効証拠金から、必要証拠金を引いた額が、新規の発注に使えます。
  3. 心理面:含み損は「まだ確定していない」ため、決済を先送りしやすく、損失を拡大させる原因になります。

税金との関係

税金の計算に使われるのは、その年に決済して確定した損益(実現損益)です。年末時点で保有しているポジションの評価損益は、その年の課税対象に含まれません。国内の店頭FXの差金等決済による損益は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税(所得税15%・住民税5%、別途復興特別所得税)の対象で、損失は一定の要件のもと翌年以後3年間繰り越せます。ただし、年内に確定した損益と、スワップポイントの扱いについては、取引会社の年間取引報告書で確認します。

実現損益と評価損益の注意点

  • 評価損益は、市場がその価格で売買できる前提の数字であり、相場が急変すると、実際の決済価格とずれることがあります。
  • スワップポイントは、会社によって、日々の評価損益に反映されるものと、決済時に実現損益として扱われるものがあります。
  • 評価損益の表示は、Bid・Askの更新のたびに変わるため、数字に一喜一憂して判断が乱れやすくなります。

実現損益と評価損益でよくあるミス

  • 含み損を「まだ損失ではない」と考えて、損切りを先送りする。
  • 含み益を、すでに得た利益のように扱い、次の取引の数量を増やす。
  • 年末の含み損益を、確定申告の対象だと勘違いする。

実現損益と評価損益のチェックリスト

  • 取引画面の「残高」と「有効証拠金」の違いを説明できるか。
  • ポジションを持つ前に、「含み損が資金の何%になったら決済するか」を決めたか。
  • スワップが、評価損益と実現損益のどちらに反映される会社か確認したか。

実現損益と評価損益のFAQ(よくある質問)

Q. 含み益が出ていても、出金できますか?
A. 多くの会社では、出金できるのは「出金可能額」の範囲です。含み益は未確定のため、出金可能額に含まれない場合があります。

Q. 評価損益と、損益の表示が合わないのはなぜですか?
A. スプレッドやスワップ、為替の円換算のタイミングなどの影響があります。

Q. 決済しなければ損失は確定しないのですか?
A. 会計上は未確定ですが、資金拘束・ロスカット・機会費用といった形で、実質的な影響はすでに出ています。

補足:確認の習慣

取引画面を開いたら、「預託証拠金」「評価損益」「有効証拠金」の3つを、この順に見ると、口座の状態を整理しやすくなります。

筆者の見解(実現損益と評価損益)

評価損益は、「市場がいまその価格を提示しているという事実」に過ぎませんが、含み損を「確定していないから大丈夫」と扱うほど、判断が遅れやすくなると考えます。ポジションを持ったときに、「この価格に達したら、含み損であっても必ず決済する」という線を先に引いておくと、評価損益の数字に振り回されにくくなります。

実現損益と評価損益の関連項目

出典(一次情報)

本記事は情報提供を目的としており、投資助言・売買の推奨ではありません。「筆者の見解」は一つの考え方であり、結果を保証するものではありません。FX取引は元本を上回る損失が生じるおそれがあります。