注文・取引ルール

決済・受渡日とは差金決済の仕組み・スポット取引・決済注文の出し方

FXの決済は、保有しているポジションを反対売買で閉じ、差額で損益を確定する取引です。受渡日やスポット取引との関係、決済注文の出し方を整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

決済・受渡日とは

FXの決済(けっさい)は、保有しているポジションに対して、反対方向の売買を行い、損益を確定させる取引です。買いポジションは「売り」で、売りポジションは「買い」で決済します。

FXは、実際の通貨を受け渡さずに、買値と売値の差額だけを精算する「差金決済」で行われます。このため、利用者が外貨を受け取ることは、通常ありません。

決済の種類

種類 内容
任意決済 利用者が、自分の判断で決済する
指値・逆指値による決済 設定した価格に達したら、自動で決済される
ロスカット 証拠金維持率が低下したとき、会社が強制的に決済する
期限による決済 一部の商品で、期限が来ると決済される

損益の確定

決済した時点で、実現損益として確定し、口座の残高に反映されます(実現損益と評価損益参照)。

買いの決済損益 = (決済価格 − 約定価格) × 数量
売りの決済損益 = (約定価格 − 決済価格) × 数量

スワップポイントは、保有期間に応じて、損益に加えられます。

受渡日とスポット取引

外国為替のスポット取引は、取引日から2営業日後に、通貨を受け渡す取引です(一部の通貨ペアは1営業日後)。この受渡しの日を「受渡日(バリューデート)」と呼びます。

FXは、スポット取引をベースにしつつ、受渡日を毎日繰り延べる(ロールオーバー)ことで、ポジションを保有し続けられます。決済をしない限り、受渡日は繰り延べられ、通貨の現物の受け渡しは行われません。

受渡日の例

取引日 受渡日(原則)
月曜日 水曜日
水曜日 金曜日
木曜日 翌週の月曜日
金曜日 翌週の火曜日

祝日(取引する2通貨のいずれかの国の休日)が挟まると、受渡日は、その分ずれます。

決済注文の出し方

取引ツールでは、次のような方法で決済できます。

方法 内容
ポジションを選んで決済 ポジション一覧から、対象を選び、成行で決済
反対売買(ネッティング方式) 同じ通貨ペアで反対方向の注文を出すと、自動で決済になる
一括決済 すべてのポジション、または通貨ペアごとにまとめて決済
指値・逆指値・OCO あらかじめ価格を設定して、自動で決済する

具体例:一部決済

USD/JPY の買い(3万通貨)を、段階的に決済する例です。

ステップ 内容 残りのポジション
新規 150.00円で、3万通貨 買い 3万通貨
一部決済① 150.50円で、1万通貨 売り(+5,000円) 2万通貨
一部決済② 151.00円で、1万通貨 売り(+10,000円) 1万通貨
残りを決済 149.80円で、1万通貨 売り(−2,000円) なし
合計 +13,000円(スプレッド・スワップを除く)

一部決済を使うと、利益を確保しながら、残りで伸びを狙うことができます。

決済・受渡日の実践ステップ

  1. 決済の目的(利益確定、損切り、ポジション整理)を明確にする。
  2. 数量と、対象のポジションを確認する。
  3. 注文方法(成行・指値など)を選ぶ。
  4. 決済が約定したかを、履歴で確認する。
  5. 損益を、取引日誌に記録する。

決済・受渡日の注意点

  • 決済のつもりで、新規の逆方向の注文を出し、両建てになることがあります(ポジション、両建て参照)。
  • 一部の会社では、決済の順序(古いポジションから、または新しいものから)を選べます。どのポジションの損益が、いつ確定するかが変わるため、損益の管理に影響します(課税は、1年間に確定した損益の合計が対象です)。
  • 取引会社によって、決済できる時間や、メンテナンスの時間が異なります。

決済・受渡日でよくあるミス

  • 決済のボタンと、新規のボタンを取り違える。
  • 損益を確定する気持ちになれず、決済を先延ばしする。
  • 週末や祝日をまたぐ決済の、時間を確認していない。

決済・受渡日のチェックリスト

  • 決済の対象のポジションと、数量を確認したか。
  • 決済の注文方法(成行か、指値か)を、意識して選んだか。
  • 決済後に、ポジション一覧が空になった(または意図した状態)ことを確認したか。

決済・受渡日のFAQ(よくある質問)

Q. 決済しないと、通貨を受け取ることになりますか?
A. FXは差金決済のため、通貨を受け取ることはありません。保有を続けても、受渡日が繰り延べられるだけです。

Q. 決済の期限はありますか?
A. 会社の定める商品によります。一般的な店頭FXでは、期限は設けられていません。ただし、証拠金不足の場合は、ロスカットされます。

Q. 決済を失敗したときは、どうなりますか?
A. 注文が約定していない場合は、ポジションが残ります。通信障害や、メンテナンス中の取引停止に備え、電話注文など、代替の手段を確認しておきます。

筆者の見解(決済・受渡日)

決済は、「取引を終わらせる」という判断であり、エントリーよりも、感情が影響しやすい場面だと考えます。利益が出ているときは、早く確定したくなり、損失が出ているときは、先延ばしにしたくなります。あらかじめ、決済の条件(価格・時間・損益)を決めておくことで、その場の感情に左右されにくくなります。

決済・受渡日の関連項目

出典(一次情報)

本記事は情報提供を目的としており、投資助言・売買の推奨ではありません。「筆者の見解」は一つの考え方であり、結果を保証するものではありません。FX取引は元本を上回る損失が生じるおそれがあります。