ストキャスティクスとは%K・%D・スロー型の計算式と見方・注意点
ストキャスティクスは、一定期間の高値・安値のレンジの中で、終値がどの位置にあるかを示すオシレーター系指標です。ファスト・スローの違いと、買われすぎ・売られすぎの見方を整理します。
公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて
ストキャスティクスとは
ストキャスティクス(Stochastics)は、ジョージ・レーン氏が考案した、一定期間の高値と安値のレンジの中で、直近の終値が、どの位置にあるかを0〜100%で示すオシレーター系指標です。上昇トレンドでは、終値がレンジの上のほうに位置し、下降トレンドでは下のほうに位置しやすい、という考えが元になっています。
構成要素と計算式
よく使われる設定の例は、期間14、平滑化3・3です。ただし初期値はツールによって異なり、MetaTrader 5 は5・3・3、国内では9・3・3もよく見られます。
| 名称 | 計算 |
|---|---|
| %K(ファスト%K) | (今日の終値 − 期間の最安値) ÷ (期間の最高値 − 期間の最安値) × 100 |
| %D(ファスト%D) | %Kの3期間移動平均 |
| スロー%K | ファスト%D と同じ(%Kを平滑化したもの) |
| スロー%D | スロー%Kの3期間移動平均 |
%K = (終値 − 最安値(N)) ÷ (最高値(N) − 最安値(N)) × 100
計算例
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 過去14日の最高値 | 152.00 |
| 過去14日の最安値 | 148.00 |
| 今日の終値 | 151.00 |
| %K | (151.00 − 148.00) ÷ (152.00 − 148.00) × 100 = 75% |
終値は、レンジの75%の位置にあることを示しています。
なお、%Dを「%Kの移動平均」ではなく、「(終値−最安値)の3期間合計 ÷ (最高値−最安値)の3期間合計 × 100」で計算する方式もあり、国内の解説ではこちらが使われることがあります。結果はわずかに異なります。
ファスト型とスロー型
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ファスト | %Kと、その移動平均の%Dを使う。反応は早いが、ノイズが多い |
| スロー | %Kをさらに平滑化。反応はやや遅いが、だましが少ない |
日本では、スロー・ストキャスティクスが、よく使われるとされます。
基本の見方
| 値 | 解釈 |
|---|---|
| 80%以上 | 買われすぎ |
| 20%以下 | 売られすぎ |
| %Kが%Dを下から上に抜ける | 買いのサイン(20%以下のとき、より有効とされる) |
| %Kが%Dを上から下に抜ける | 売りのサイン(80%以上のとき、より有効とされる) |
ストキャスティクスの使い方
- レンジ相場で、80%以上や20%以下のゾーン内での、クロスを逆張りの目安にする。
- トレンド相場では、押し目や戻りのタイミングに使う。たとえば、上昇トレンドで、20%付近で%Kが%Dを上抜けたとき、押し目買いを検討する。
- ダイバージェンスを見る(ダイバージェンス参照)。
ストキャスティクスの具体例
| 状況 | ストキャスティクス | 解釈 |
|---|---|---|
| レンジの上限付近 | 85%、%Kが%Dを下抜け | 反落の警戒、売りを検討する人も |
| 上昇トレンド中の押し目 | 20%付近で%Kが%Dを上抜け | 押し目買いの目安 |
| 強い上昇トレンド | 80%以上が長く続く | 買われすぎのまま上昇。逆張りは危険 |
ストキャスティクスの実践ステップ
- スロー・ストキャスティクス(14・3・3)を表示する。
- レンジかトレンドかを、先に確認する。
- レンジなら、ゾーン内のクロスを目安に、逆張りを検討する。
- トレンドなら、押し目の位置として使う。
- 損切りの位置を、直近の高値・安値で決める。
ストキャスティクスの注意点
- 強いトレンドでは、80%以上・20%以下の状態が続き、逆張りのサインは機能しません。
- 計算期間が短いと、振れが大きく、サインが多発します。
- ツールによって、%K・%Dの定義が異なる場合があります(ファスト・スローの呼び方)。
ストキャスティクスでよくあるミス
- 80%を超えたから売る、20%を下回ったから買う、とだけ判断する。
- ファスト型を使い、ノイズに振り回される。
- 他の指標(移動平均など)と、矛盾した判断をする。
ストキャスティクスのチェックリスト
- ファスト型・スロー型のどちらを使っているか確認したか。
- レンジ相場か、トレンド相場かを、先に判断したか。
- サインの後の損切りを、決めているか。
ストキャスティクスのFAQ(よくある質問)
Q. ストキャスティクスとRSIは、どちらがよいですか?
A. どちらも買われすぎ・売られすぎを示します。ストキャスティクスは、レンジ内の位置、RSIは上昇・下落の勢いの比率を測る点が異なります。
Q. 設定値は、変更してもよいですか?
A. 変更できます。短くすると感度が上がり、長くすると安定します。
Q. サインが頻繁に出て、判断が難しいです。
A. スロー型にする、上位の時間足と合わせる、レンジ相場でのみ使う、などの工夫があります。
筆者の見解(ストキャスティクス)
ストキャスティクスは、「今の価格が、直近のレンジのどのあたりか」を、素直に教えてくれる指標だと考えます。レンジ相場では分かりやすく、使いやすい反面、トレンド相場では、サインに従うほど、損失が積み重なりがちです。相場の状態を判断してから使うという順序を、守ることが大切だと思います。
ストキャスティクスの関連項目
- RSI
- ウィリアムズ%R
- ダイバージェンス
- レンジ取引
出典(一次情報)
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・売買の推奨ではありません。「筆者の見解」は一つの考え方であり、結果を保証するものではありません。FX取引は元本を上回る損失が生じるおそれがあります。