パラボリックSARとは計算式・ドット転換の見方・損切りと手仕舞いへの使い方
パラボリックSARは、価格の上や下に表示されるドットで、トレンドの方向と、転換のタイミングを示す指標です。加速係数の仕組みと、トレンド相場での手仕舞い・損切りへの使い方を整理します。
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パラボリックSARとは
パラボリックSAR(Parabolic SAR)は、ウェルズ・ワイルダー氏が考案した、トレンド系の指標です。SARは「Stop And Reverse(止めて、反転する)」の略で、価格が反転したときに、ポジションを手仕舞い、反対方向に切り替える目安を示します。チャート上に、放物線(パラボリック)状に動くドットとして表示されます。
パラボリックSARの見方
| ドットの位置 | 解釈 |
|---|---|
| 価格の下にドット | 上昇トレンド(買い保有の目安) |
| 価格の上にドット | 下降トレンド(売り保有の目安) |
| ドットが上から下へ(または逆)切り替わる | トレンドの転換のサイン |
トレンドが続いている間は、ドットが価格に少しずつ近づいていきます。価格がドットに触れる(ドットを超える)と、転換となり、ドットが反対側に移ります。
計算の仕組み
次の日のSARは、以下の式で求められます。
次のSAR = 今のSAR + AF × (EP − 今のSAR)
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| EP(Extreme Point) | 現在のトレンドでの、最高値(上昇時)または最安値(下降時) |
| AF(加速係数) | 初期値0.02。EPを更新するたびに0.02ずつ増え、上限は0.2 |
AFが増えていくため、トレンドが長く続くほど、ドットが価格に追いつく速度が速くなり、放物線の形になります。標準の設定は、初期値0.02、増分0.02、上限0.2です。
パラボリックSARの具体例
買いポジションを持っている場合の、手仕舞いの目安として使う例です。
| 日 | 価格 | SAR(ドット) | 状況 |
|---|---|---|---|
| 1 | 150.00 | 149.50 | 上昇トレンド(SARは下) |
| 2 | 150.50 | 149.60 | 高値更新でAFが増える |
| 3 | 151.00 | 149.85 | ドットが価格に近づく |
| 4 | 150.40 | 150.20 | 下落してもSARより上 |
| 5 | 150.10 | 151.10に切り替わる | 価格がSARを下回り、転換(上へ移動) |
5日目に、ドットが価格の上に移り、買いポジションの手仕舞い(または売りへの転換)の目安となります(数字は仮定)。
パラボリックSARの使い方
1. 損切り・手仕舞いの目安
保有中のポジションに対して、SARを、トレーリングストップ(追随する損切り)の位置として使います。価格がSARに達したら、決済します(トレール注文の考え方に近い)。
2. トレンドの確認
ドットが連続して同じ側にある間は、トレンドが続いていると考えます。
3. 他の指標との組み合わせ
ADX・DMIなどで、トレンドの強さを確認した上で、SARを使うと、だましを減らせます。
パラボリックSARの実践ステップ
- SARを、標準設定(0.02、0.2)で表示する。
- まず、トレンド相場かどうかを確認する(ADXなど)。
- トレンドの方向にエントリーした後、SARを損切りの目安に使う。
- SARが転換したら、決済を検討する。
- 結果を記録し、設定の調整を検証する。
パラボリックSARの注意点
- レンジ相場では、ドットが頻繁に切り替わり、だましが多くなります。損失が積み重なりやすい指標です。
- 手仕舞いのタイミングが、やや遅れることがあります(利益の一部を返すことが多い)。
- 設定値によって、感度が変わります。
パラボリックSARでよくあるミス
- レンジ相場でも、ドットの転換に従い、損失を重ねる。
- ドットの転換だけで、新規のエントリーをする。
- 加速係数を、検証せずに頻繁に変更する。
パラボリックSARのチェックリスト
- 現在の相場が、トレンド相場かを、他の指標でも確認したか。
- SARを使う目的が、エントリーか、手仕舞いかを、決めているか。
- 損切りとして使う場合の、最大損失を数字で確認したか。
パラボリックSARのFAQ(よくある質問)
Q. パラボリックSARは、エントリーにも使えますか?
A. 使えますが、だましが多く、単独での使用は推奨されないことが多いです。手仕舞い・損切りの目安として使われることが一般的です。
Q. AFの設定は、変更してもよいですか?
A. 変更できます。AFを大きくすると、ドットが価格に近づき、感度が高まります。小さくすると、余裕を持った動きになります。
Q. SARとトレーリングストップは同じですか?
A. 考え方は似ていますが、SARは価格に近づく速度が加速する点で、固定幅のトレール注文とは異なります。
筆者の見解(パラボリックSAR)
パラボリックSARは、「いつ降りるか」を機械的に決めてくれる、手仕舞い向きの指標だと考えます。トレンドが明確なときは、シンプルで有効ですが、レンジでは機能しません。「トレンド相場だけで使う」というルールを、先に決めておくことが、有効に使うポイントだと思います。
パラボリックSARの関連項目
- トレール注文
- ADX・DMI
- トレンドフォロー
- 損切り(ストップロス)
出典(一次情報)
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・売買の推奨ではありません。「筆者の見解」は一つの考え方であり、結果を保証するものではありません。FX取引は元本を上回る損失が生じるおそれがあります。