11月2日適用の為替リスク想定比率、米ドル/円は1.49%
金融先物取引業協会が公表した11月2日適用の為替リスク想定比率で、米ドル/円は1.49%。比率の位置づけと主な通貨ペアの数値、公表ページの停止と復旧を整理します。
公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて
11月2日適用の為替リスク想定比率は、米ドル/円が1.49%
金融先物取引業協会(FFAJ)は2026年10月23日、11月2日(月)から11月6日(金)の週に適用される「為替リスク想定比率」を公表しました。主要な通貨ペアでは、米ドル/円が1.49%(レバレッジ換算で67.11倍)、ユーロ/円が1.27%(78.74倍)、豪ドル/円が1.76%(56.81倍)です。協会は、この比率を法人顧客との店頭外国為替証拠金取引向けの数値として公表しており、法人口座の必要証拠金の基準としてFX会社が使っています。個人向けの取引には、これとは別にレバレッジの上限規制があります。ここでは、協会の公表内容とFX会社の説明から、比率の意味と今回の数字、見るときの注意点を整理します。相場の予想や売買の推奨は含みません。
為替リスク想定比率の位置づけ:法人口座の証拠金率の基準
協会のサイトによると、為替リスク想定比率とレバレッジは、約180の通貨ペアについて週次で公表されています。楽天証券の説明によれば、この比率は、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを使って算出されるものです。協会は通常、毎週金曜日の17時以降に、翌々週の月曜日から適用される比率を公表すると、同社は説明しています。
楽天証券は、協会または自社が算出した比率以上となるよう、証拠金率を通貨ペアごとに定めるとしています。同社は、法人口座の必要証拠金を「取引金額×会社が定める証拠金率を通貨ペアごとに計算した合計」と説明しています。たとえば同社ページの過去の計算例(2017年の適用時の数値)では、米ドル/円が113.00円で比率が1.92%のとき、1万通貨あたりの必要証拠金は2万1,696円です。比率が上がれば、同じ取引量に必要な証拠金が増えます。逆に、レバレッジ換算の数字(100÷比率)は小さくなります。今回の米ドル/円では、1.49%から約67倍という数字が示されています(レバレッジ換算は協会の公表値で、小数第3位以下を切り捨てた表示です)。
主な通貨ペアの比率とレバレッジ換算(2026年10月23日公表分)
協会がCSVで公表した数値のうち、円の絡む主なペアなどを抜き出しました。
| 通貨ペア | 想定比率 | レバレッジ換算 |
|---|---|---|
| 米ドル/円 | 1.49% | 67.11倍 |
| ユーロ/円 | 1.27% | 78.74倍 |
| 英ポンド/円 | 1.36% | 73.52倍 |
| 豪ドル/円 | 1.76% | 56.81倍 |
| スイスフラン/円 | 1.13% | 88.49倍 |
| カナダドル/円 | 1.46% | 68.49倍 |
| NZドル/円 | 1.61% | 62.11倍 |
| ユーロ/米ドル | 0.96% | 104.16倍 |
| 南アフリカランド/円 | 2.31% | 43.29倍 |
| トルコリラ/円 | 1.99% | 50.25倍 |
| メキシコペソ/円 | 2.29% | 43.66倍 |
今回の表では、南アフリカランド/円とメキシコペソ/円が2%台前半と、主要通貨の円ペアより高く、スイスフラン/円やユーロ/円は比較的低い水準です。比率は内閣府令に定める定量的計算モデルで算出される数値(楽天証券の説明)で、将来の値動きを予告するものではありません。なお、楽天証券では、トルコリラ/円とチェココルナ/円について、自社の証拠金率と4%のうち高いほうを適用するとしています(チェココルナ/円は今回の協会の表にはありません)。
PHP脆弱性への対応で公表ページが一時停止、10月25日に再開
今回の公表では、運用面の出来事もありました。協会のお知らせによると、2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性への対応に伴い、比率の公表ページを設置しているWebサービスが停止し、10月23日は同ページにアクセスできませんでした。そのため、同日分の比率はCSVファイル(ffaj_margin_ratio_2026102300.csv)からのダウンロードで案内されました。10月25日にはページが再開され、10月23日付で掲載した数値からの変更はないと、協会は説明しています。
比率をページで確認している人は、停止中にはCSVが案内されていたことを知っておくと、今後の同種の障害時にも落ち着いて確認できます。
見直しのたびに確認したいこと
楽天証券の説明では、証拠金率は通常、毎週金曜日の取引終了後に見直され、見直された率は保有中の建玉や注文にもすぐに適用されます。そのため、証拠金率が上がると、翌週月曜日の取引開始直後にロスカットが発生する可能性があると、楽天証券は注意を促しています。法人口座で取引している場合は、次の点を見るとよいでしょう。
- 利用しているFX会社が定める証拠金率(会社ごとの確認が必要)
- 適用日(今回の比率は11月2日の週から。それまでの週は別の比率が適用される)
- 保有する通貨ペアの比率が前週から上がっていないか
個人口座は、レバレッジの上限規制など、必要証拠金の考え方が異なります。
筆者の見方では、この数字を「危険度の順位表」として読むのは避けたほうがよいと思います。比率は協会が定める計算モデルの出力であり、損益の見通しではありません。一方で、証拠金率の変更がロスカットの水準に直結する点は、取引している人にとって見落とせない点です。保有中・取引予定の通貨ペアについて、週に一度、利用中のFX会社の証拠金率とあわせて変化を確かめておくと、証拠金不足に早く気づけます。売買の判断は、ご自身の資金計画とリスク許容度にもとづいて行ってください。
参考にした情報
- 金融先物取引業協会(お知らせ「本日の為替リスク想定比率の公表について」2026年10月23日、サービス復旧の案内 10月25日)
- 金融先物取引業協会「為替リスク想定比率」公表ページ(2026年10月23日公表分)
- 為替リスク想定比率 CSV(2026年10月23日)
- 楽天証券「FX法人口座の必要証拠金・為替リスク想定比率」
2026年10月26日時点の情報です。
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・売買の推奨ではありません。「筆者の見解」は一つの考え方であり、結果を保証するものではありません。FX取引は元本を上回る損失が生じるおそれがあります。