テクニカル指標

ADX・DMIとはトレンドの強さの測り方・+DIと−DIの見方・使い方

DMIは、上昇と下降のどちらの勢いが強いかを、ADXはトレンドそのものの強さを示す指標です。方向と強さを分けて見られるため、トレンド相場とレンジ相場の判別に役立ちます。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

ADX・DMIとは

DMI(Directional Movement Index:方向性指数)は、ウェルズ・ワイルダー氏が考案した、上昇の勢いと下降の勢いを、別々に測る指標です。ADX(Average Directional Movement Index)は、DMIから計算される、トレンドの強さを示す線です。

線 意味
+DI 上昇方向の勢い
−DI 下降方向の勢い
ADX トレンドの強さ(方向は示さない)

標準の期間は14です。

計算の概要

  1. 当日と前日の高値・安値を比べて、+DM(上方向の動き)と−DM(下方向の動き)を求める。
  2. +DM、−DMを、ATRで割って、+DI、−DIを求める(%で表現)。
  3. +DIと−DIの差の割合(DX)を平滑化して、ADXを求める。
+DI = +DMの平滑値 ÷ ATR × 100
−DI = −DMの平滑値 ÷ ATR × 100
DX = |+DI − −DI| ÷ (+DI + −DI) × 100
ADX = DXの平滑値(移動平均)

計算は複雑なため、取引ツールの標準機能を使います。重要なのは、意味の理解です。

ADX・DMIの見方

1. +DIと−DIの関係

状態 解釈
+DI が −DI を上回っている 上昇の勢いが優勢(買い方向)
−DI が +DI を上回っている 下降の勢いが優勢(売り方向)
+DI が −DI を下から上へ抜ける 買いのサイン
+DI が −DI を上から下へ抜ける 売りのサイン

2. ADXの水準

ADXの値(目安) 解釈
20未満 トレンドが弱い(レンジ相場の可能性)
20〜25 トレンドが発生し始めている
25以上 トレンドが強い
40〜50以上 非常に強い(過熱の場合もある)
ADXが低下 トレンドの勢いが弱まっている

「25」を境界とする見方が一般的ですが、固定された基準ではありません。

重要なのは、ADXは方向を示さない点です。ADXが上昇しているときは、上昇でも下降でも、トレンドが強まっていることを意味します。

ADX・DMIの使い方

1. 相場環境の判別(最も重要な使い方)

ADXを、「今のこの相場は、トレンドか、レンジか」の判定に使います。

ADX 適した手法
低い(20未満) レンジ向け(逆張り、RSI、ストキャスティクスなど)
高い(25以上) トレンド向け(順張り、MACD、移動平均など)

2. 順張りの確認

+DIが−DIを上抜け、同時にADXが上昇していれば、強い上昇トレンドの始まりと見られます。

ADX・DMIの具体例

状況 +DI/−DI ADX 判断
上昇トレンドの初期 +DI > −DI、差が拡大 15 → 25に上昇 買いの順張りを検討
強い上昇トレンド +DI >> −DI 40 上昇が強い。押し目を待つ
レンジ相場 +DI と −DI が交差を繰り返す 15 順張りは避ける。レンジ手法に

ADX・DMIの実践ステップ

  1. DMI(14)を表示する。
  2. ADXの水準で、トレンドかレンジかを判断する。
  3. トレンドなら、+DIと−DIの位置で、方向を確認する。
  4. トレンドの方向に、順張りの機会を探す。
  5. 損切りの位置を、直近の高値・安値で決める。

ADX・DMIの注意点

  • ADXは、トレンドが始まった後に上昇するため、遅行性があります。
  • +DIと−DIのクロスは、レンジ相場で頻発し、だましが多くなります。ADXが低いときは、無視するのが一般的です。
  • ADXが高い水準から低下しても、反転を意味するとは限りません。トレンドが弱まる、または横ばいになる、という意味です。

ADX・DMIでよくあるミス

  • ADXの高さを、買いか売りの方向と、勘違いする。
  • ADXが低いときに、+DI・−DIのクロスで、エントリーする。
  • ADXが急上昇した後の、天井圏で、新規のエントリーをする。

ADX・DMIのチェックリスト

  • ADXの水準を、エントリーの前に確認しているか。
  • レンジ・トレンドで、使う手法を切り替えるルールがあるか。
  • +DI・−DIのクロスを、ADXの条件付きで使っているか。

ADX・DMIのFAQ(よくある質問)

Q. ADXは、何を見る指標ですか?
A. トレンドの強さです。方向は、+DIと−DIで見ます。

Q. ADXが25を超えれば、必ずトレンドですか?
A. 一つの目安です。25を超えても、すぐにトレンドが終わる場合もあります。

Q. ADXは、短い時間足でも使えますか?
A. 使えますが、時間足が短いと、ADXの変動が大きくなり、判断が難しくなります。

筆者の見解(ADX・DMI)

ADXは、「今、順張りが有効な局面か」を教えてくれる、フィルターとして使うのが、最も実用的だと考えます。売買のサインを出す指標と組み合わせ、ADXが低いときは、サインに従わないというルールを入れるだけで、だましによる損失を減らせる場合があります。「いつ取引しないか」を決める道具として、活用できると思います。

ADX・DMIの関連項目

出典(一次情報)

本記事は情報提供を目的としており、投資助言・売買の推奨ではありません。「筆者の見解」は一つの考え方であり、結果を保証するものではありません。FX取引は元本を上回る損失が生じるおそれがあります。