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9月の物価コア指標、刈込平均2.47%と加重中央値1.62%

日銀が10月27日に公表した9月の消費者物価のコア指標を整理。刈込平均値2.47%、加重中央値1.62%、最頻値1.6%。指標ごとの定義と、総務省の全国CPIとの違いも確認。

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日本銀行は2026年10月27日、9月分の「消費者物価のコア指標」を公表しました。日銀が試算した「特殊要因を除く、生鮮食品を除く」指数は前年比3.2%、刈込平均値は2.47%、加重中央値は1.62%、最頻値は1.6%でした。いずれも前月(8月)から上がっていますが、指標によって水準にかなり差があります。日銀の金融政策決定会合は29〜30日に開かれる予定で、物価の「基調」をどう見るかを考える材料の一つになります。

9月のコア指標を、8月と並べて確認する

日銀が公表しているデータ(2025年基準)から、9月と8月の前年比を抜き出すと次のようになります。

日銀のコア指標(前年比、%)
指標 8月 9月
除く生鮮食品、特殊要因 2.6 3.2
除く生鮮食品・エネルギー、特殊要因 2.2 2.7
除く食料・エネルギー、特殊要因 1.8 2.4
刈込平均値 2.16 2.47
加重中央値 1.54 1.62
最頻値 1.3 1.6

上昇した品目の比率は77.69%、下落した品目の比率は17.39%で、両者の差(ポイント)は60.30でした。8月は上昇74.29%、下落21.17%、差は53.12で、値上がりする品目の広がりが一段と大きくなっています。

「3.2%」と「1.6%」が同じ月に並ぶ理由

同じ月の物価でも、指標によって1.6%から3.2%まで開きがあります。これは、各指標が「どの品目を、どう扱うか」が違うためです。日銀の注記によると、刈込平均値は品目別の価格変動分布の両端を上下各10%、機械的に控除した値です。加重中央値は、価格上昇率の高い順にウエイトを積み上げて50%付近にある値で、最頻値は分布で最も頻度の高い価格変化率です。一般に、分布の両端や真ん中に着目する指標は、一部の品目の大きな値動きの影響を受けにくいとされます。

一方、「特殊要因」を除いた指数は、消費税率の変更や教育無償化政策(2026年4月の学校給食無償化を含む)、ガソリン・電気・ガス代などの負担緩和策、2021年の携帯電話通信料の引き下げ、旅行支援策の影響を、日銀調査統計局の試算で取り除いたものです。今回の公表資料には、9月に前年比が大きく上がった要因の説明は載っていません。どの品目が押し上げたのかは、総務省の品目別データなどで確かめる必要があります。

総務省の全国CPIは「生鮮食品を除く総合」が2.1%

参考として、総務省統計局が10月23日に公表した9月の全国消費者物価指数は、総合が前年同月比2.1%の上昇、生鮮食品を除く総合も2.1%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は2.4%でした。日銀の「特殊要因を除く」指数(3.2%)は、総務省の指数と比べて数字が大きく出ています。日銀の指数は特殊要因の影響を除いた試算値で、総務省の公表値とは前提が異なります。なお、日銀は「特殊要因」の定義を予告なく変更する可能性があるとしています。

xlsxには月次・四半期と旧基準の系列も

日銀の「消費者物価のコア指標」のページには、図表のPDFと、月次・四半期の数値を収めたxlsxが置かれています。公表は原則として、全国CPIの公表日の2営業日後の14時をめどに行われます。今回のデータファイルの日付は10月27日でした。xlsxには、2020年基準など旧基準の系列も収められており(刈込平均値などは2000年基準から)、過去の推移とあわせて見比べられます。数字の定義は図表の注記に書かれているため、引用するときは、どの指標を指しているのかを明記しておくと、あとで混乱しません。

2%を超えた指標、超えていない指標

日銀の政策判断を追ううえでは、次の3点を押さえておくとよいでしょう。

  • コア指標は、需給ギャップや賃金などとあわせて、基調的な物価上昇率を把握するための材料とされている(日銀のページの説明)
  • 前月から上昇していても、指標ごとに水準が違うため、「どの指標が2%を超えたか」を分けて読む
  • 会合の結果や総裁会見の発言は、9月分のこの数字と合わせて、後日の公式資料で確認する

会合の日程と公表物は、当サイトの日銀の10月会合は29〜30日、展望レポートの公表予定を整理にまとめています。本記事は相場の予想や売買の推奨をするものではありません。

個人的には、今回いちばん目を引くのは、上昇品目比率と下落品目比率の差が6月49.72、7月49.15、8月53.12、9月60.30と、2か月続けて広がった点です。ただし、この比率は値上がりした品目の「数」の割合で、家計の支出に占める重み(ウエイト)は反映されていません。一方で、ウエイトを積み上げて求める加重中央値は1.62%にとどまっており、「値上がりする品目は増えたが、真ん中の品目の上昇率は2%に届いていない」という組み合わせになっています。広がりと上昇の大きさのどちらが先に変わるのかを、10月分以降も同じ2つの数字で追ってみるつもりです。

出典

2026年10月28日時点の情報です。

本記事は情報提供を目的としており、投資助言・売買の推奨ではありません。「筆者の見解」は一つの考え方であり、結果を保証するものではありません。FX取引は元本を上回る損失が生じるおそれがあります。

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