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店頭FXの4月度取引額は897兆円、前年の61.0%に FFAJ実態調査

金融先物取引業協会の2026年実態調査。2026年4月度の店頭FX顧客取引額は897兆5,269億円で前年の61.0%、調査対象は45社。ビジネスモデルや自動売買ツール、API提供も整理。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

金融先物取引業協会(FFAJ)は2026年10月30日、東京外国為替市場委員会との共同調査の結果「店頭外国為替証拠金取引の実態調査結果について」(2026年10月31日付)を協会サイトに掲載しました。2026年4月度の店頭FX取引の顧客取引額は897兆5,269億円(897,526,933百万円)で、前年4月度の61.0%、つまり約4割減っています。調査の対象になった会員は45社で、前年から1社減りました。

FX会社を選ぶ個人にとっては、業界全体の動きが分かる資料です。この記事では、数字の増減を中心に整理し、相場の見通しや特定の業者の評価には触れません。

顧客取引額は前年の61.0%、ただし2017年4月の約2.8倍

資料の図表9によると、2026年4月度の店頭FX取引の顧客取引額は、調査対象の全会員の合計で897,526,933百万円(約897.5兆円)です。2025年4月度は1,472,506,512百万円でしたので、前年に対する比率は61.0%になります。一方、資料の表で基準になっている2017年4月度(319,281,362百万円)と比べると、281.1%です。

過去の4月度の前年比を見ると、2020年は219.2%、2022年は182.4%、2023年は77.7%、2024年は122.2%、2025年は156.4%と、年によって大きく動いています。4月度だけの比較なので、年間の傾向をそのまま表すものではありませんが、取引額が相場の変動に大きく左右される市場だということは読み取れます。

45社のビジネスモデルは、ホワイトラベルでなくカバー先が複数でマリーありが最多

調査対象は、2026年4月30日時点で店頭FX取引を扱う会員(媒介のみの会員は除く)の45社で、2025年4月の46社から1社減りました。図表の推移では、2017年4月の53社から9年で8社減りました。業態別では、登録金融機関が5社、証券会社が24社、金融先物取引専業者などが16社です。

協会は、取引成立の仕組みを、ホワイトラベルか否か、価格づくりに使うカバー取引先の数(単数か複数か)、マリー(顧客同士の注文の相殺)の有無、顧客約定とカバー取引のタイミング(前・後・裁量)で24通りに分類しています。1社が複数のモデルを採ることがあり、回答の延べ数は51です。

  • ホワイトラベルではなく、カバー取引先が複数で、マリーを行うモデル(組合せ番号7〜9):計20社(採用回答数の約39.2%)
  • ホワイトラベルで、カバー取引先が単数で、マリーを行わないモデル(組合せ番号16〜18):計16社(約31.4%)
  • 個別では、番号8(ホワイトラベルでなく、カバー取引先が複数、マリーあり、顧客約定後にカバー取引)が13社(約25.5%)

採用するモデルの数でみると、1つだけの会員が40社、2つが4社、3つ以上が1社です。

自動売買ツールとAPIの提供状況

自動売買ツールを顧客に提供している会員は16社で、前年の17社から1社減りました。内訳は、自社開発が4社、他社開発が11社、併用が1社です。2017年4月は25社が提供していたので、2017年以降で減ってきたことになります。

ツールを提供する会員の顧客取引額は222,558,969百万円で、全体の約24.8%にあたります。提供していない会員は674,967,964百万円でした。どちらも前年比は6割ほどで、全体と同じ動きです(提供あり61.4%、提供なし60.8%)。協会のまとめでは、提供する会員のシェアは前年の約24.6%からわずかに上がっています。

顧客にAPIを提供している会員は7社で、前年と同じです。API提供会員の顧客取引額は21,011,762百万円で、全体の約2.3%でした。

プライムブローカーは15会員が利用、PB業者は6社

会員とカバー先の金融機関の取引を中継するプライムブローカー(PB)制度は、2026年4月時点で15会員が利用し、利用契約数は34件、PB業者数は6社です。PBを通じた顧客取引額(利用額)は80,327,015百万円で、前年の97,599,082百万円から減っています。PB業者6社は、すべて東京外国為替市場委員会の報告対象金融機関でした。

外部流通量は、東京市場のスポット取引の71.9%

調査の第二部では、国内のFX取引が外国為替市場に与える影響を整理しています。協会の整理では、顧客と業者の間で完結する取引を内部流通、業者がカバー先との間で行う取引を外部流通とみなします。2026年4月は、店頭FXの顧客取引額8,975,269億円のうち、外部流通量(カバー取引総額)が3,033,510億円(33.8%)で、これに東京金融取引所の「くりっく365」の取引額18,237億円を加えたFX取引の外部流通量総計は3,051,747億円(約305.2兆円)でした。これは、東京外国為替市場のスポット取引額4,242,818億円(約424.3兆円)の71.9%に当たります。なお、このスポット取引額は、ドル建ての取引高を各年4月末の円レート(2025年は142.805円、2026年は160.14円)で換算した値なので、71.9%への低下には円安の影響も含まれます。

前年は、同じ比率が112.2%でした。外部流通量が東京市場のスポット取引を上回るほどの規模から、7割台まで下がったことになります。

この調査の数字は4月度の断面である

この調査は各年4月度を基準にしているため、年間の取引額とは別物です。また、顧客取引額は金融当局経由で協会が受け取るモニタリング調査表をもとにした集計で、協会が毎月公表する「店頭FX月次速報」の数値とは完全には一致しないと、資料自身が注意しています。

2025年4月度は2017年比461.2%と、表の中で最も高い水準でした。今回の281.1%は2022年(310.6%)や2024年(294.9%)に近く、2022年の急増の翌年に77.7%へ下がった例もあることから、筆者は、前年の突出が影響している可能性があると見ています。ただし、資料は増減の理由を示しておらず、相場環境によるものか、顧客の動向によるものかは、この調査だけでは判断できません。

FX会社を選ぶ立場では、取引額の大小よりも、自分が選ぶ会社がどのビジネスモデルで価格を作り、約定しているのかのほうが、スプレッドや約定のしかたに関わることがあります。各社の公式サイトで、カバー取引やマリーの考え方がどう説明されているかを確認するのが、現実的な使い方でしょう。なお、この記事は特定の業者の評価や、取引の推奨を目的にしていません。

出典

2026年10月31日時点の情報です。

本記事は情報提供を目的としており、投資助言・売買の推奨ではありません。「筆者の見解」は一つの考え方であり、結果を保証するものではありません。FX取引は元本を上回る損失が生じるおそれがあります。

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