FXの所得区分雑所得・事業所得と申告分離課税
FXの利益は、多くの個人にとって雑所得です。国内の登録業者との取引は、事業所得・譲渡所得・雑所得のいずれでも、先物取引に係る雑所得等として申告分離課税になります。所得区分の考え方を整理します。
公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて
FXの所得区分とは
所得税では、所得を10種類に分けて、それぞれ計算します。FXの利益は、一般に雑所得になります。ただし、国内の登録業者との取引は、所得区分(事業・譲渡・雑)に関係なく、「先物取引に係る雑所得等」として、申告分離課税になります(国税庁 No.1522)。
所得区分の違い
| 区分 | 内容(FXの場合) |
|---|---|
| 雑所得 | 一般的な個人のFXは、ここに入る |
| 事業所得 | 営利を目的に、継続的・反復的に行い、事業と言える規模の場合(認定は実態で判断) |
| 譲渡所得 | 一定の取引(国税庁 No.1522 の例ではカバードワラントの譲渡など)で、譲渡所得にあたる場合。通常のFXでは、まれとされます |
先物取引に係る雑所得等とは
国税庁によると、「先物取引に係る雑所得等」とは、一定の先物取引による事業所得の金額、譲渡所得の金額および雑所得の金額の合計額です。
| 取引の相手 | 所得区分に関係なく |
|---|---|
| 国内の登録業者 | 先物取引に係る雑所得等として、申告分離課税(約20.315%) |
国内の登録業者を使う限り、事業所得か雑所得かを、悩まなくてよい仕組みです。
海外業者の場合
国内の登録業者を相手にしない取引は、一般に雑所得で、総合課税です(海外FXの税金参照)。この場合に、事業所得として、認められるかどうかが、問題になります。
| 項目 | 雑所得 | 事業所得 |
|---|---|---|
| 損失 | 雑所得の範囲内のみで通算 | 他の所得と通算できる場合がある |
| 青色申告特別控除 | 使えない | 使える(要件あり) |
| 認定 | 一般的 | 実態で判断(取引の規模・継続性・営利性など) |
事業所得と認められるのは、ハードルが高いと考えられます。自分で判断せず、税務署や税理士に、確認します。
区分で変わること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 税率 | 国内の登録業者なら、区分によらず約20.315% |
| 必要経費 | 区分によらず、FXに必要な経費を引ける(FXの必要経費参照) |
| 損失の繰越 | 先物取引に係る雑所得等で3年間 |
| 記録と保存 | 雑所得でも、収支を記録し、書類を保存しておくと安心(義務の範囲は国税庁で確認) |
記帳と書類の保存
雑所得でも、申告の根拠として、収支の記録と書類の保存をしておくことが大切です。国税庁 No.1500 では、業務に係る雑所得について、前々年分の収入金額が300万円を超える場合は現金預金取引等関係書類の保存、1,000万円を超える場合は収支内訳書などの添付が必要とされています。
| 記録するもの | 内容 |
|---|---|
| 収入 | 決済損益(年間取引報告書の金額) |
| 経費 | 取引に必要な費用(書籍・情報料・通信費の一部など) |
| 保存する書類 | 年間取引報告書・領収書・取引履歴 |
| 保存の期間 | 一定期間の保存が必要(期間は国税庁で確認) |
事業所得を目指す場合は、帳簿の作成など、要件が増えます(国税庁 No.1350)。普段から、記録を整えることが、どの区分でも役に立ちます。
FXの所得区分の注意点
- 所得区分は、名称や自己申告ではなく、実態で決まります。
- 「専業トレーダー」と名乗っても、自動的に事業所得になるわけではありません。
- 所得区分の変更は、申告内容に影響します。慎重に判断します。
FXの所得区分でよくあるミス
- 事業所得にすれば、節税できると思い込む。
- 国内の登録業者の取引を、総合課税で申告してしまう。
- 所得区分が不明なまま、申告書を作る。
FXの所得区分のチェックリスト
- 取引相手は、国内の登録業者か。
- 年間取引報告書の区分を、確認したか。
- 収支の記録を、保存しているか。
FXの所得区分のFAQ(よくある質問)
Q. FXの利益は、給与所得ですか?
A. 給与所得ではありません。雑所得などに分類されます。
Q. 雑所得でも、経費は引けますか?
A. FXにかかる必要経費は、引けます。記録と領収書を、保管します。
Q. 副業の所得は、何になりますか?
A. 副業の内容によって異なります。FXは、一般に雑所得です。
筆者の見解(FXの所得区分)
所得区分は、「どの箱に入れるか」を決める作業で、国内の登録業者を使う限り、箱の名前で迷う場面は、少ないと考えます。迷いが出るのは、海外業者や、大きな規模で取引するときです。そのときは、自己流で判断せず、専門家に相談してください。
FXの所得区分の関連項目
- FXの税金の基本
- 雑所得
- 申告分離課税
- FXの必要経費
- 法人のFXの税金
出典(一次情報)
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・売買の推奨ではありません。「筆者の見解」は一つの考え方であり、結果を保証するものではありません。FX取引は元本を上回る損失が生じるおそれがあります。